高校時代からのお付き合いがある、彩から連絡が来ました。
開口一番「パトロン募集に成功したんだよ!」と、言い出しました。
彼女の声のトーンが、尋常じゃないほど跳ね上がっているのに気が付きました。
よほど良い事があったに違いないと、この瞬間感じました。
やたら早口で「お金を無償支援してくれる人を見つけられて、すごいハッピー」と言い出します。
彼女の元気さに、圧倒されてしまいました。
「ちょっと待って、落ち着いて。何が言いたいのかよく分からないよ」
「だから、パトロンを見つけたんだよ!」
私はパトロンの意味が理解できませんでした。
彩は、何が言いたいのか?
パトロンとは何なのか?
「それ何なの、詳しく言ってくれないと分からないって」
「お金くれるパパだよ!」
「えっ!!!」
瞬間、凍り付いてしまいました。
私が欲しいと思っていた、資金援助してくれる人。
彩は、私よりも先にパパ募集に成功したようです。
「ご馳走するから、食事でもお酒でもいいから、ちょっと付き合ってよ」
彼女の弾んだ声に、本当のことを言っているのが分りました。
数日後、待ち合わせして飲みに行くことになりました。

 

 彩をみて、ものすごい衝撃を感じてしまいました。
彼女は最近離婚してバツイチ一人暮らし。
暗い表情だったのに、今の彼女は全く違っている。
光り輝く存在に感じてしまいました。
パトロンというのは、こうまで人を変化させてしまうものなのか?
どんな話が飛び出してくるのか。
私の心の中に、妙な期待感が湧き上がってきました。

 

 この日の飲み代は、彩が出してくれると言うから驚きます。
「バツイチで生活大変なんじゃないの?」
「でもパトロンを見つけたから、これからは夢を追いかけられるんだ」
「夢を?どういうこと?」
「私、ネットショップをオープンしたいと思ってたんだけど、その手伝いをしてくれるの」
驚愕の事実を知り、激しい衝撃が私の全身を走り抜けていきました。